イケア、使い捨てモデルを転換? 「フラットパック家具」レンタル事業

AFP=時事 によると。

スウェーデンの家具大手イケア(Ikea)が、環境保護への取り組みの一環として家具のレンタルとリサイクルサービスを世界的に進めている。安価な家具を平らに梱包する独自の「フラットパック」型ビジネスモデルをめぐっては、過剰消費と廃棄物の増加につながっているとの見方があり、新たな試みはそうした懸念に対応する形で展開される。

 イケアは自社のビジネスモデルを2030年までに循環型に移行するとの目標を掲げている。新たな事業展開については、単なるマーケティング戦略であるとの批判の声もある一方で、内容の伴う実質的な方向転換であると歓迎する向きもある。
 イケアはすでに、輸送中に損傷した製品を修理・再梱包するサービスをすべての店舗で行っているほか、製品の返品も受け付けている。返品された製品は、再販もしくは慈善事業に寄付されるのだという。
 全367店舗の運営を担うインカグループ(Ingka Group)は今年、家具のレンタルサービスを4か国で試験的に開始したが、今後はこれを世界30か国に拡大する計画だ。
■二酸化炭素を大量排出
 イケアは、同社が環境に及ぼしている影響を2030年までに70%削減したいとしている。しかし、現在の二酸化炭素排出量を考えると、それまでに目標を達成するのはやはり難しいだろう。
 持続可能性に関する2018年の報告書でイケアは、「二酸化炭素排出量を減らす上で最も注目すべきエリアは、原材料と販売後の製品寿命にある」と述べている。今年公表された別の報告書では、同社の二酸化炭素排出量における原材料の割合は36.4%に上っており、また郊外の店舗に製品を輸送し、顧客が店舗まで行く交通手段による排出量は19.4%となっていることが明らかにされている。
■さらなる努力
 グリーンピース(Greenpeace、北欧オフィス)などの環境保護活動団体は、イケアの新たなイニシアチブは取り組みの第一段階としては評価できるが、環境に配慮している企業と認められるにはさらなる行動が必要だと指摘する。

 例えばイケアの製造部門が主要市場から離れた場所に置かれていることもその一つ。製造拠点と販売拠点を行き来する際の長距離輸送が環境汚染につながっているというのだ。イケアの製品の多くはグループ会社のイケアインダストリー(Ikea Industry)が、ポーランド、ロシア、スロバキア、スウェーデンの工場で製造しているが、2017年の世界の最大市場はドイツ(売り上げの15%)、米国(同14%)、フランス(同8%)となっていた。
 グリーンピースはさらに、イケアがパーム油や木材などの天然資源の他、プラスチックも大量に使っていることを批判している。これについては、2020年までに使い捨てプラスチックの使用をなくし、サプライヤーが環境に配慮した事業計画に変更できるよう支援することをイケアは表明している。
■家具の使い捨て文化
 スウェーデンのルンド大学(Lund University)のセシリア・カシンガー(Cecilia Cassinger)教授(コミュニケーション戦略)は、「循環経済に移行する上で重要となるのは、持続可能な物流(輸送、保管、組み立て)、サービス(保守管理)、廃棄物管理だ」と話す。
 同氏は、イケアが2030年までに目標を達成するためには、その製品寿命を延ばすことが絶対条件だと指摘する。
 イケアは、家具を安価で流行最先端の消耗品と位置づけることで業界に革命を起こした。しかし、それは同時に使い捨ての概念を定着させることにもつながった。
 そうした経緯がある中でカシンガー氏は、イケアのビジネスモデルそのものに疑問を投げかける。
「シェアリングサービスやレンタルは適切な手段の一つかもしれない」
「だが、製造規模を縮小して製品カテゴリーを絞り、(壊れたら)新しい製品に買い替えるのではなく、イケアのカスタマーサービス部門で保守管理が簡単にできる、高品質で相応な値段の製品に注力するという選択肢もあるのではないだろうか」

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