週刊SPA! によると。
今回は先週、発売されたユニクロ「JWアンダーソン」の最速レビュー。気鋭のデザイナーであり、ハイブランド「ロエベ」のクリエイティブディレクターを務める実力派。英国らしい伝統と着崩しを兼ねた斬新なデザインが特徴です。
今回は買うべき「マストバイ」と買っちゃいけない「ワーストバイ」を分けて紹介します!
◆▼マストバイ:バランスのいいデニムジャケットの理想形
・テーラードジャケット(シャンブレー) 6990円(+税)
フォーマルなジャケットデザインなのに、カジュアルなデニム(正確にはシャンブレー)素材というハイブリッドなアウター。シャンブレー素材のジャケットなんて世の中にありふれているだろうとお思いでしょうが、理想的なものは案外少ない。
また、インディゴ素材の特性は色落ちのしやすさ。味わいが出て、それが魅力であると同時に、ジャケットや靴などにした場合、インナーの白Tシャツに色移りしやすいというデメリットにもなります。しかし、このジャケットは私も試しに一度洗って、白Tシャツの上に着用してみましたが、目立った色移りはありませんでした。さすがユニクロ、この手の品質には抜かりなし。
形は肩パッドなどが入っていると、ジャケットは途端にビジネス感が出てしまうものですが、こちらはパッドのない芯ナシタイプ。カーディガンのようにクタッとした表情のため、仕事帰りにも見えません。かといって作りは手を抜いておらず、縫い目部分にパイピングをしたり、裏側の始末まで丁寧に仕上げています。
デニム素材といってもブルゾンやGジャンではないため、カジュアルすぎない。ジャケットといってもウールや肩パッド入りではないので、仕事着のような印象にはならない。黒スキニーなどにさらりと合わせれば、小洒落た都会のカジュアルが完成します。
裏地もないため、袖をまくれば夏直前まで使える軽さも魅力。今回の一押しアイテムです。
◆▼マストバイ:装飾はあるけどシンプルなデザインという「ハイブリッド」
・エクストラファインコットンブロードシャツ(長袖) 2990円(+税)
ソツのないストライプシャツ……かと思いきや、袖先がクレイジーパターンになっているのがこちら。シンプルなノームコアの時代が終わり、今のトレンドは「装飾性」。少しごちゃついたデザインや色使いが好まれる流行となりました。
もちろん、だからといって「無地やシンプルデザインの使いやすさ」は捨てられないし、かといって「派手すぎるデザイン」は抵抗感が出るのが正直なところ。そこで、こんなハイブリッドなデザインがおすすめ。
シンプルでスタンダードなストライプシャツだけど、ふと見ると袖先だけほんの少し面白いデザインが入っている。シンプルデザインの使いやすさと、装飾的な今のトレンドも兼ね備えた実にバランスいいアイテム。これ一枚でショーツなどに合わせても決して地味にはなりません。
素材はツヤのある、ユニクロ得意のブロード。ツルっとツヤのある風合いが大人っぽい印象を出してくれて、切り替えデザインでもヤンチャなイメージにならずに済みます。
柄物に抵抗がある人は、この切り替えデザインで無地も展開中。無地もおすすめです。
◆▼マストバイ:ボーダーTシャツ一枚でもサマになる
・アシンメトリーボーダーT(長袖) 1990円(+税)
上のシャツと同じような話ですね。フレンチカジュアルを彷彿とさせるベーシックなボーダーTシャツなのですが、中心から柄をズラしており、リメイクしたかのようなデザインに。
シンプルさと装飾性を兼ね備えたバランスのいいアイテム。公式サイトではインナーにシャツを入れて重ね着していますが、単体でも十分サマになります。ボーダーTシャツ一枚にデニムだと、なんだか味気ないものですが、こうしたトレンドライクなギミックがわずかにあるだけで印象が変わって、洗練されて見えるのだから洋服は面白い。
素材はかなり肉感があり、タフなもの。ガッシリとしており長く使えそうなところもポイントです。値段も素材感のわりに格安。
◆▼ワーストバイ:コンビニ店員にあだ名をつけられてしまいそう
・グラフィックT(半袖) 1990円(+税)
コンビニの店員さんに「タツノオトシゴ」って、あだ名をつけられそうで何とも怖い……。総柄グラフィックは確かにトレンドで、今どこのブランドも手がけているところですが……よりにもよってなぜこんなにもコミカルなモチーフにしてしまったのか。
100歩譲ってモチーフが「タツノオトシゴ」でも、なぜモチーフがあえて目立つようなイエローカラーにしてしまったのか。ダークトーンで目立たないようにすればまだ通用したはずなのに……。
形はリラックス感のある程よい細さだし、素材感はさすがユニクロ。文句ないくらいの品質。それだけにこのグラフィックが実に惜しい。品質的には1990円では安いくらいですが、グラフィックで価値を落としている感が否めません。
◆▼ワーストバイ:このコーディネート本当に大丈夫なの…?
・イージードローストリングパンツ 3990円(+税)
リラックスサイズのチノパン。画像を見ると、かなり裾が短いように感じますが、THE日本人体型である私が着用するとちょうどいい丈になります。くるぶしがちょうど隠れるくらい。なので、画像で見るようなクロップド丈にはなりません(脚が長い人はそうじゃないかもしれませんが)。
丈感はさておき……これを普通のおじさんが普通にはいたら、かなり野暮ったくなります。着こなしは考えないと危険なアイテム。ただでさえ「チノパン」って、おじさんファッションの代名詞的なアイテムなのに、やや太めのシルエットでドローコード入りのリラックスパンツタイプ。着用画像のようにラガーシャツを合わせれば、下町をぶらついている気の抜けたおっさんにしかなりません。このコーディネート大丈夫なのか……?
はき心地や素材のタフさはもちろん素晴らしいですが、おしゃれ着目線としてはかなり難しい。
◆▼ワーストバイ:しっくり来ないのはサイズのせい!?
・ダッフルバッグ 3990円(+税)
「あしたのジョー」になれるダッフルバッグ。悪くはないんですが、買った人ならわかると思います……これ、どう担いでもなんだかしっくりこないんですよ。その原因は大きさにあり。
コート主体のコーディネートならこのくらいの大きさでも問題ないんですが、これからは春夏シーズン。徐々に薄着になっていく中、例えば、半袖Tシャツにこのサイズのボリュームバッグはちょっと目立ちすぎる。レザー素材で高級感があるものなら「あえて目立たせて全体を格上げする」って理屈も通るのですが……キャンバス素材でボーダー柄でワンショルダーという、かなりカジュアルなデザインを思い切り目立たせてしまうと、コーデは下手すると「格下げ」に。
やるなら無地にするとか、素材をもう少し洗練させるとか、もしくはサイズを小さく主張を少なくするとか、やりようがあったのではないかと……デザイン自体は悪くないだけに惜しいアイテムです。
以上「ユニクロ・JWアンダーソン」最速レビューでした! ぜひご参考に。